遺産相続手続きの流れ:期限、必要書類、代行依頼先の基本ガイド

ご家族が亡くなられた際、すぐに遺産相続の手続きを開始しなければなりません。このページでは、初めての方が何から手をつければ良いのか悩まないよう、必要な手続きや期限、必要書類について順を追って具体的に解説します。さらに、相続手続きが必要な理由や、代行を依頼する際の相談先についても詳しく説明しています。

目次

相続手続きはなぜ必要?しないとどうなる?

ご家族が亡くなられた際には、葬儀や法要だけでなく、さまざまな書類手続きを行う必要があります。その中でも、遺産相続手続きは期限内に必要書類を揃えて進めなければならず、非常に手間と時間がかかるものです。

忙しさから手続きを後回しにしたくなることもあるかもしれませんが、相続手続きを放置するとどうなるのでしょうか?

結論として、遺産相続手続きをしなくても、直ちに罰則が発生することはありません。ただし、手続きをしないままでいると、故人の名義のまま財産が残り、預貯金の払い戻しや不動産の売却ができなくなるなど、さまざまな問題が生じます。故人が遺した財産を正しく受け継ぐためにも、期限内に相続手続きを完了させることが重要です。

相続手続きの全体的な流れ

遺言書の有無や相続額によって必要な手続きは異なりますが、基本的な流れは次の6つのステップに分かれます。【①遺言書の有無の確認→②相続人の確定→③相続財産の確定→④遺産分割協議→⑤相続財産の名義変更→⑥相続税の納付】です。相続税の申告が必要な場合は、これらの手続きをご家族が亡くなってから10ヵ月以内に完了させなければなりません。また、相続手続きの前に、死亡届や世帯主変更届の提出など、各種事務手続きも済ませる必要があります。

手続きの進め方は?期限や必要書類も詳しく解説

この項目では、ご家族が亡くなってからすぐに行うべき事務手続きを含め、遺産相続手続きの期限や必要書類について、流れに沿って具体的に解説します。必要書類が一つでも欠けていると再申請が必要になるため、スムーズに進めるためにも、しっかりと確認しながら進めましょう。

亡くなってから7日〜14日以内に行うべき手続き


亡くなってすぐの段階では、まずご家族の死亡を市区町村に届け出る手続きを行います。その後、年金や保険など、故人様名義の公的サービスに関する手続きを進める必要があります。以下に、流れに沿って詳しく解説します。

【7日以内】死亡届・埋火葬許可申請書の提出


ご家族が亡くなると、病院から「死亡診断書(医師記入)」と「死亡届(届け出人記入)」が手渡されます。これらに加え、役所にある「埋火葬許可申請書」に必要事項を記入し、7日以内に役所に提出します。手続きが問題なく受理されると、「埋(火)葬許可証」が発行されます。許可証は納骨の際に必要となるため、必ず受け取ってください。ただし、最近では葬儀社が一連の手続きを代行し、遺族は許可証のみを受け取るケースが一般的です。

【手続き先】
故人の本籍地または死亡地、届出人の居住地の市区町村役場

【必要書類】
死亡届、埋火葬許可申請書

【10日または14日以内】年金受給停止手続き


故人が年金を受給していた場合、受給停止の手続きを行う必要があります。手続きを怠ると、本来受け取るべきでない年金を受給し、不正受給と見なされることがあります。ただし、マイナンバーが登録されている場合、死亡届の提出と同時に手続きが完了します。

【手続き先】
年金事務所または年金相談センター

【必要書類】
年金受給権者死亡届(報告書)、年金証書、死亡を証明する書類(死亡診断書のコピーや死亡が記載された戸籍など)


【14日以内】各種保険の資格喪失手続き


日本では全ての国民が公的医療保険に加入する義務があります(国民皆保険制度)。亡くなった方が加入していた保険(国民健康保険、社会保険、後期高齢者医療制度、介護保険)については、資格喪失手続きと保険証の返却が必要です。

【手続き先】
故人の居住地の市区町村役場(国民健康保険・後期高齢者医療制度・介護保険の場合)
加入先の保険組合(社会保険の場合)

【必要書類】
資格喪失届、保険証、死亡を証明する書類(死亡診断書のコピーや死亡が記載された戸籍など)

【14日以内】世帯主変更届の提出


故人が世帯主だった場合は、世帯主の変更が必要です。次に世帯主になる方が明確である場合や、世帯に誰も残っていない場合は手続きが不要となることもあります。提出が遅れると、5万円以下の過料が科される可能性があるので注意が必要です。

【手続き先】
故人の居住地の市区町村役場

【必要書類】
世帯主変更届(住民異動届)、届出人の本人確認書類、印鑑、委任状など

亡くなってから3~4ヵ月以内に行うべき手続き


葬儀が終了すると、故人の財産を配偶者や子が受け継ぐための相続手続きが本格的に始まります。相続放棄や限定承認の決定は3ヵ月以内、準確定申告と納税は4ヵ月以内に行う必要があります。これらの手続きにはさまざまな要件があるため、以下に詳細を説明します。

【なるべく早く】遺言書の有無の調査・検認


遺産相続の手続きは、遺言書の有無によって大きく異なります。まずは遺言書が存在するかを確認することから始めましょう。遺言書がある場合は、その内容に従って相続人を決定し、遺産を分配します。一方、遺言書がない場合は、相続人の調査からスタートする必要があります。

遺言書を探す際には、故人が重要書類を保管していた可能性のある場所(遺品や金庫、入院先の病院や施設など)を確認しましょう。また、最寄りの公証役場での遺言検索や法務局での遺言保管確認も活用できます。遺産分割が終わった後に遺言書が見つかると、再度協議が必要になる場合があり、手間が増えるため注意が必要です。

遺言書には以下の3種類があります。公正証書遺言以外の遺言書が見つかった場合は、家庭裁判所で「検認」手続きが必要です。検認前に遺言書を勝手に開封したり、検認を行わずに相続手続きを進めると、5万円以下の過料が発生する可能性がありますのでご注意ください。

  • 自筆証書遺言: 遺言者本人が自筆で作成した遺言
  • 公正証書遺言: 遺言者が公証役場で口述し、公証人が作成した遺言
  • 秘密証書遺言: 遺言内容を秘密にしつつ、公証役場でその存在のみを公証人に証明してもらった遺言

【手続き先】

  • 公正証書遺言の検索: 公証役場
  • 自筆証書遺言の保管確認: 法務局

【費用】

  • 公正証書遺言の検索: 無料
  • 公正証書遺言の閲覧: 1回につき200円
  • 公正証書遺言の謄本請求: 1ページにつき250円
  • 自筆証書遺言の保管確認: 1通につき800円

【必要書類】

  • 故人の死亡および相続関係がわかる戸籍謄本(故人の戸籍謄本や除籍謄本)
  • 本人確認書類

遺言書の検認手続きの流れ


遺言書の検認手続きは、以下の5つのステップで進めます。

  1. 検認の申し立てに必要な書類を集める
    必要書類を準備します。
  2. 家庭裁判所に検認の申立てをする
    家庭裁判所に検認申立書を提出します。
  3. 検認期日の日程を調整する
    検認の日程を調整します。
  4. 検認期日に、必要書類を持参して家庭裁判所で検認を行う
    指定された期日に必要書類を持参し、家庭裁判所で検認を受けます。
  5. 検認済証明書を受け取る
    検認後に「検認済証明書」を受け取り、手続きが完了します。

検認当日は、申立人が必ず立ち会う必要がありますが、相続人全員の出席は求められません。検認が完了したら、検認済証明書を受け取って手続きが終了します。

【手続き先】
家庭裁判所

【費用】

  • 収入印紙: 800円分
  • 連絡用の郵便切手

※検認の申し立てを郵送で行う場合は、必要書類に収入印紙を貼付し、連絡用の郵便切手(相続人の人数分)を同封して送付します。

【必要書類】

  • 遺言書
  • 遺言書の検認申立書
  • 故人の死亡および相続関係がわかる戸籍謄本(故人の戸籍謄本や除籍謄本)

【なるべく早く】相続人の確定

遺言書がない場合は、まず相続人を特定する必要があります。相続人は法律で決まった範囲と順位に従って決まります。以下の図のように、相続人の範囲と順位が定められており、誰が相続人になるかを確認するためには、法的手続きが必要です。

相続人の優先順位表

【手続き先】
故人の本籍地にある市区町村役場

【費用】

  • 戸籍謄本: 1通 450円
  • 除籍謄本や改製原戸籍謄本: 1通 750円

【必要書類】

  • 故人が生まれてから死亡するまでの全戸籍謄本(除籍・改製原戸籍・現戸籍)
  • 相続人全員の戸籍謄本

必要書類の収集の流れ

相続人調査に必要な書類の収集は、以下のステップで行うと効率的です。最初に故人様の現在の戸籍謄本を取得し、その後、遡って以前の本籍地の書類を収集します。以下に、2段階で書類を集める流れを説明します。

  1. 故人様が生まれてから亡くなるまでの連続した戸籍を収集する
    最初に、故人様が生まれてから亡くなるまでの全戸籍(戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍)を集めます。これにより、故人様の相続に関する情報を把握し、誰が相続権を持つかを確認できます。
  2. 法定相続人を確定させ、相続人全員の戸籍を収集する
    集めた故人様の戸籍をもとに、法定相続人を特定します。故人様の配偶者は必ず相続人となり、次に相続順位に従って法定相続人が決まります。順位は以下の通りです:
  • 第1順位: 子(子が亡くなっている場合はその子、すなわち孫やひ孫)
  • 第2順位: 故人様の父母または祖父母
  • 第3順位: 兄弟姉妹または甥・姪

【なるべく早く】相続財産の確定

相続人が確定した後は、故人様の総財産を調査し、相続財産を把握することが重要です。調査に漏れがあると、意図しない借金の相続や、遺産分割協議のやり直しなどのトラブルが発生する可能性があるため、慎重に行いましょう。

調査すべき財産には、以下のような種類があります:

  • 預貯金
  • 有価証券
  • 不動産
  • 動産(貴金属など)
  • 知的財産権(著作権など)
  • 負債

それぞれの財産に適した調査方法を選ぶ必要があります。また、調査結果を「遺産目録」として書面でまとめておくことで、後で参照しやすくなり便利です。

財産調査の4ステップ

財産調査をスムーズに進めるためには、以下の4つのステップに従うと良いでしょう。各ステップでの具体的な方法もご紹介します。

ステップ1: 預貯金の調査

まず、預貯金を調査します。金融機関の通帳やキャッシュカード、郵便物、インターネット口座などを確認し、使用していた金融機関を特定します。相続税申告の基準となる預金残高を把握するために、残高証明書の発行も依頼しておきましょう。

ステップ2: 負債の調査

借金や負債がある場合、プラスの財産よりもマイナスの財産が多いときは「相続放棄」を検討できます。相続放棄は、相続開始を知った日から3ヵ月以内に手続きをする必要がありますので、できるだけ早く確認して対応することが大切です。

ステップ3: 不動産の調査

不動産は評価額の算定に時間がかかるため、早めに調査を始めると良いでしょう。まず、自宅や貸金庫に保管されている売買契約書や権利証などを探します。不明な場合は、市区町村に「名寄帳」を請求し、故人が所有していた不動産の一覧を確認します。

ステップ4: その他の調査

有価証券についても、関連する郵便物などから金融機関を特定します。不明な場合は、「株式会社証券保管振替機構」に開示請求を行うことができます。また、貸金庫が発見された場合は、その中も調査し、貴金属などの動産がないか確認しましょう。

手続き先

  • 預貯金や有価証券: 各金融機関や証券会社
  • 不動産: 各市区町村役場や法務局

費用

  • 残高証明書や取引履歴: 各金融機関によって異なる
  • 名寄帳: 300円
  • 登記簿謄本(登記事項証明書): 約500円

【なるべく早く】遺産分割協議

遺言書が存在しない場合や、遺言書に記載されていない財産がある場合には、相続人と相続財産が確定した後に、相続人全員で遺産分割について話し合う「遺産分割協議」を行う必要があります。遺産分割協議には明確な期限は設けられていませんが、最終的には10ヵ月以内に相続税の申告が求められるため、早めに進めることが望ましいです。

相続人全員で協議し、誰がどの財産をどれだけ受け取るかを決定したら、その結果を「遺産分割協議書」として書面にまとめます。この書類には、全員の署名と実印が必要です。遺産分割協議書自体は法的に必須ではありませんが、口頭での合意だけでは後々のトラブルの原因となる可能性があるため、文書として残すことをお勧めします。

【3ヵ月以内】相続方法の検討(単純承認・限定承認・相続放棄)

相続財産が確定した後は、どの方法で相続するかを決定する必要があります。相続方法には「単純承認」「限定承認」「相続放棄」の3つがあり、それぞれの方法には異なる条件があります。相続方法の選択は財産の状況によって決まります。

  • 単純承認: プラスの財産もマイナスの財産も全て引き継ぎます。法的な手続き期限は特にありません。
  • 限定承認: 故人の債務について、プラスの財産の範囲内でマイナスの財産も引き継ぎます。
  • 相続放棄: プラスの財産もマイナスの財産も全て引き継がない方法です。

限定承認や相続放棄を選ぶ場合は、相続開始を知ってから3ヵ月以内に手続きを完了させる必要があります。手続きが遅れると、自動的に単純承認と見なされることがあります。

  • 単純承認は最も一般的な方法ですが、故人が多額の債務を抱えていた場合には相続放棄を検討することができます。また、債務の額が不明な場合には限定承認を選ぶことで、プラスの財産の範囲内での相続が可能です。

限定承認や相続放棄を選択する場合は、必要書類を揃えて家庭裁判所で申立て手続きを行います。特に必要な書類と費用は以下の通りです。

【手続き先】
家庭裁判所
※単純承認の場合は特別な手続きは不要

【費用】

  • 戸籍謄本: 1通450円
  • 除籍謄本や改製原戸籍謄本: 1通750円
  • 収入印紙: 800円
  • 郵便費用: 約1000円

【必要書類】

  • 相続放棄の場合
  • 相続放棄申述書(家庭裁判所窓口またはホームページからダウンロード可能)
  • 故人の死亡及び相続関係がわかる戸籍謄本(故人の戸籍謄本や除籍謄本)
  • 故人の住民票除票または戸籍附票
  • 限定承認の場合
  • 家事審判申立書(家庭裁判所窓口またはホームページからダウンロード可能)
  • 故人が生まれてから死亡するまでの全戸籍謄本(除籍・改製原戸籍・現戸籍)
  • 故人の住民票除票または戸籍附票
  • 相続人の戸籍謄本

【なるべく早く】相続財産の名義変更・換金

遺産分割協議を終えて遺産分割協議書を作成した後は、相続した財産を正式に自分のものとするために、各財産の名義変更手続きを行う必要があります。主な相続財産として、以下の3種類について解説します。

金融機関(預貯金や有価証券など)

    • 手続き内容: 故人が取引していた銀行や証券会社に対して、預貯金や有価証券の名義変更または解約手続きを行います。
    • 必要書類:
      • 相続届(相続手続依頼書)
      • 故人の全戸籍謄本(除籍・改製原戸籍・現戸籍)
      • 本人確認書類
      • 故人の通帳やキャッシュカード
      • 貸金庫の鍵
    • 遺言書がない場合:
      • 相続人全員の印鑑証明書
      • 遺産分割協議書
    • 遺言書がある場合:
      • 遺言書
      • 相続を受ける方の印鑑証明書

    不動産

      • 手続き内容: 不動産の名義変更は、法務局での登記変更手続きを行います。これには、不動産の権利証や登記簿謄本が必要です。

      その他の権利(ゴルフ会員権など)

        • 手続き内容: ゴルフ会員権やその他の権利の名義変更も行います。これには、権利証書や必要な書類を管理している団体に提出する必要があります。

        それぞれの財産について、必要な書類を準備し、手続き先で名義変更や解約を進めていきましょう。

        不動産の名義変更(相続登記)

        不動産を相続する際には、「相続登記」と呼ばれる名義変更手続きを行う必要があります。この手続きを怠ると、受け継いだ不動産を売却する際に問題が発生する可能性がありますので注意が必要です。相続登記は法務局で申請を行いますが、必要書類が多く、手続きが複雑なため、専門家である司法書士に依頼するのも一つの方法です。

        現在は法定の手続き期限はありませんが、2024年4月1日からは相続登記が義務化されます。相続開始から3年以内に手続きを行わないと、最大で10万円の過料が課せられる可能性があるため、早めの対応が推奨されます。

        【手続き先】
        不動産の所在地を管轄する法務局

        【費用】
        登録免許税:不動産の固定資産評価額の0.4%(例:1000万円の場合4万円、2000万円の場合8万円)

        【必要書類】

        • 登記申請書(法務局のホームページからダウンロード可能)
        • 故人が生まれてから死亡するまでの全戸籍謄本(除籍・改製原戸籍・現戸籍)
        • 故人の住民票除票または戸籍附票
        • 相続人全員の戸籍謄本
        • 相続人全員の印鑑証明書
        • 相続財産を受ける相続人の住民票の写し
        • 遺言書(ある場合)
        • 遺産分割協議書(遺言書がない場合に遺産分割協議を行った場合)

        各種権利・財産の名義変更

        金融機関の預貯金や有価証券、不動産以外にも、相続に関連する手続きがいくつかあります。例えば、生命保険の受け取り請求、自動車やバイクの名義変更、ゴルフ会員権の名義変更、自宅の火災保険の名義変更などが挙げられます。相続した財産ごとに適切な手続きを行うことが重要です。

        さらに、故人が生前に契約していた公共料金や有料サービスの解約、免許証やパスポートの返納手続きも必要です。これらの手続きを怠ると、料金が発生する可能性があるため、注意が必要です。

        【4ヵ月以内】所得税の準確定申告

        故人様が確定申告の義務がある場合、相続人が代理で「準確定申告」を行う必要があります。この申告は、相続開始を知った日から4ヵ月以内に提出しなければなりません。期限を過ぎると、加算税や延滞税が発生する可能性があるため、注意が必要です。

        以下のケースに該当する場合、準確定申告が必要です:

        • 事業所得があった場合(例:事業主やフリーランス)
        • 不動産所得があった場合
        • 年収が2,000万円以上だった場合
        • 2箇所以上の会社から収入があった場合
        • 公的年金の受給額が400万円以上だった場合
        • 給与や退職金以外で20万円以上の収入があった場合

        準確定申告には、通常の確定申告書と同様の書類を使用します。申告書を作成し、必要書類と共に税務署に提出して手続きを行います。

        相続人が複数いる場合は、全員が連署して1つの申告書を作成するか、各相続人が別々に申告書を作成するかのいずれかになります。

        【手続き先】
        所轄税務署

        【必要書類】
        確定申告書、付表、源泉徴収票、医療費の領収書、保険等の控除証明書など

        亡くなってから10ヵ月以内に行うべき手続き

        相続人と相続財産が確定し、遺産分割協議が完了し、相続放棄の検討や準確定申告も済んだ後は、10ヵ月以内に相続税の申告と納税を行う必要があります(基礎控除額を超えた場合のみ)。以下に詳細を解説します。

        【10ヵ月以内】相続税の申告・納税

        相続した遺産の総額が基礎控除額を超える場合、故人の死亡を知った日から10ヵ月以内に相続税の申告と納税を行う必要があります。相続財産の分割方法が決定したら、まずは相続税の対象になるかを計算して確認しましょう。

        ■相続税の基礎控除額の計算方法
        【3,000万円+(600万円×法定相続人の数)】

        (例)法定相続人が配偶者と子2人の場合の基礎控除額
        3,000万円+(600万円×3)=4,800万円
        この4,800万円までは相続税の申告・納税は不要です。

        借入金や葬儀費用は遺産総額から控除できます。相続放棄をした方も法定相続人として数えます。養子は、実子がいる場合は1人、いない場合は2人まで法定相続人に含まれます。
        ※相続税には基礎控除以外にも控除や特例があり、詳細は相続に詳しい税理士に相談することをおすすめします。

        相続税の申告・納税手続きは、「相続税申告書」を故人の居住地を管轄する税務署に提出し、現金で一括納付するのが基本です。税務署から納付書が送付されることはないため、相続人自らが相続税を計算し、手続きを行う必要がありますので注意が必要です。

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