いとこは遺産を相続できる? 対処法も解説

いとこ同士は法定相続人ではないため、いとこの遺産を相続することはできません。相続人がいとこの遺産を受けるためには、以下の方法があります。

  1. 遺言書の作成: 亡くなったいとこが遺言書を作成し、その中で特定の相続人に財産を遺贈することができます。この場合、遺言書に基づいて遺産が相続されます。
  2. 財産分与の申立て: いとこが法定相続人でない場合でも、特別縁故者として家庭裁判所に財産分与の申立てを行うことができます。この手続きには、いとこが亡くなった後、家庭裁判所に対して行われる手続きが含まれます。

いずれの場合も、法的な手続きが必要ですので、具体的なケースに応じて法務専門家や家庭裁判所への相談が重要です。

目次

いとこは相続人ではない

いとこの遺産は原則、相続できない

いとこは法定相続人に含まれていないため、原則としていとこの遺産を相続することはできません。法定相続人には直系卑属(子供や孫など)、直系尊属(父母、祖父母など)、兄弟姉妹が含まれ、それ以外の血縁者は相続人として法定相続の対象外です。従って、いとこの場合、相続人となるためには法的な手続きが必要です。

いとこの財産は、最終的には国庫へ

法定相続人がいない場合、遺産は最終的には国庫に帰属することになります。特別縁故者がいない場合、相続財産管理人が選任され、その後一定の手続きを経て、余った財産が国に納められます。特別縁故者とは、被相続人と生計を同じくしていた者、被相続人の療養看護に努めた者、その他被相続人と特別の縁故があった者などを指します。特別縁故者がいる場合、その者に対する分与が先に行われます。

いとこが相続するには遺言を書いてもらう

遺言を利用

法定相続人がいない場合、いとこの遺産を引き継ぐためには遺言を利用することが考えられます。遺言とは、亡くなった人が自ら最終的な意思を書面にして残すもので、普通方式の遺言には自筆証書遺言、秘密証書遺言、公正証書遺言の3種類があります。

特に一般的なのは自筆証書遺言で、遺言者が全文、日付、氏名を自ら書き、印を押す必要があります。ただし、法定の要件に沿わない遺言は無効になる可能性があるため、注意が必要です。

遺言書で行う遺贈には「特定遺贈」と「包括遺贈」があります。特定遺贈は決まった財産を特定の人に与える形式で、包括遺贈では財産を特定の人に割り当てる割合を定めます。包括遺贈では債務も財産を取得する割合で継承することになるため、留意が必要です。

自筆証書遺言よりも公正証書遺言の方が安心

公正証書遺言は公証人が関与して作成する遺言方式であり、記載や形式の不備を避けるため確実な方式とされます。ただし、公証人報酬などの費用がかかります。

特にいとこの遺産を取得する目的であれば、自筆証書遺言に不備があると取り返しがつかない可能性があるため、公正証書遺言を選ぶことが無難です。また、自筆証書遺言は、原則として、遺言者の死亡後に家庭裁判所の「検認」を経る必要がありますが、公正証書遺言では手続きが不要になるメリットもあります。

特別縁故者として認められるためには

特別縁故者として認められるためには、以下の条件があります。遺言がない場合にいとこの遺産を受け取るためには、これらの条件に該当する必要があります。

  1. 被相続人の療養看護に努めた者: 遺者の療養看護に尽力した者が該当します。
  2. その他被相続人と特別の縁故があった者: 特別なつながりがあった者がこれに含まれます。

相続財産管理人が選任され、相続人が見つからない場合、相続人捜索の公告期間が満了した後に特別縁故者としての請求が行われます。この際、以下の手続きがあります。

  1. 相続財産管理人の公告: 相続財産管理人が公告を行い、債権者や受遺者に対し、請求の申し出を促します。
  2. 相続人捜索の公告: 相続財産管理人が相続人を捜索するための公告が行われます。期間が満了しても相続人が見つからない場合、相続人の不存在が確定します。
  3. 特別縁故者の請求: 特別縁故者に該当する者は、相続人の不存在確定後、3ヵ月以内に請求を行わなければなりません。この際、被相続人の最後の住所地の家庭裁判所に申立書とともに請求を提出します。

特別縁故者になる条件に合致し、かつ期間内に正式な手続きを行うことが重要です。

いとこの相続税には2割の加算がある点に留意

いとこが法定相続人ではない場合でも、基礎控除額を上回る遺産を受け取る際には相続税の申告が必要となります。

また、被相続人の一親等の血族や配偶者以外が財産を相続する場合、相続税額に対して2割の加算が行われます。この条件はいとこの相続にも適用され、2割の加算が行われることになります。

相続税の申告や手続きにおいては、正確で適切な情報を提供することが重要です。感情的なトラブルを避け、円滑な手続きを進めるためにも、事前に税理士や法律の専門家に相談することが良いでしょう。

まとめ いとこからの相続は専門家への相談を

いとこからの相続は、父母からの相続と比較してハードルが高くなることがあります。相続の複雑性や法的な要件に関する理解が必要です。状況によっては、弁護士や司法書士、税理士などの専門家に相談して、適切なアドバイスを得ることが重要です。正確な情報と適切な助言を得ることで、いとこの相続に関するトラブルを未然に防ぎ、円滑な手続きを進めることができるでしょう。

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