弁護士の相続費用の相場は?相談する前に要確認!

遺産分割でもめごとに発展してしまった場合、

①自力で解決する
②弁護士に依頼して解決する

いずれかを選ぶ必要があるということになります。

ほとんどの人は、弁護士に依頼することになる。法律に関しての専門知識がないからです。

そうなったときに、気になるのが費用

この記事では弁護士の費用の相場と、相談前に確認するべき内容をお伝えするので、ぜひ最低限の費用感について理解し、損しない相続の実現に役立てていただきたいと思います。

目次

弁護士費用は遺産分割で獲得できる金額の10~25%を想定しておく

結論

相続の争いごとについて弁護士に依頼する場合、その費用は10~25%を想定しておくと良いぞ

費用は一律で決まっているものではなく、依頼者が取得できる金額に応じてパーセンテージが変動します。

取得金額が少ない→弁護士報酬の割合が高くなる
取得金額が多い→弁護士報酬の割合が低くなる

といった具合です。

わかりやすく具体的な数値を交えながら説明します。

基準は日本弁護士連合会がかつて定めていた弁護士費用の目安「(旧)日本弁護士連合会報酬等基準」とします。この基準は現在廃止されているが、今も参考にしている弁護士も多いため、相場の目安として差し支えないでしょう。
※なお、例はわかりやすくするため、弁護士費用の95%以上を占める「着手金と報酬金」のみ計算に入れます。実際は+10~20万円ほど諸経費が必要。

弁護士費用を差し引いたとしても数百万円の経済的メリットがある

◆500万円を相続できた場合
着手金と弁護士報酬:1,122,000円(500万円の22.44%)
手元に残るお金:3,878,000円

◆1000万円を相続できた場合
着手金と弁護士報酬:1,947,000円(1000万円の19.47%)
手元に残るお金:8,053,000円

◆5000万円を相続できた場合
着手金と弁護士報酬:7,227,000円(5000万円の14.45%)
手元に残るお金:42,773,000円

依頼者の取得金額によって、弁護士報酬の割合が変わることがわかります。

遺産分割では相続人全員が合意しない場合、この金額を受け取ることすらできない。

本気で相続の権利を主張するならば、弁護士に依頼した方が時間・報酬金ともに良い結果を得られるんだな

遺産分割の弁護士費用の相場の内訳

ここからは、よい具体的な費用の内訳を記載します。

弁護士に依頼する場合、かかってくる費用はおおよそ以下の5つに分かれています。

1. 相談料:5,000円(相場)
2. 実費:1~10万円(相場)
3. 日当:5万円~(1回の出張相場)
4. 着手金:20~30万円(相場)
5. 報酬金:獲得できた金額により変動(相場)

※以上の弁護士費用相場は税抜きの金額。

5つの中で、費用のメインとなってくるのが、着手金と報酬金です。先ほど例で紹介したような金額感を想定してもらうと良いと思います。

具体的な内容を知りたい人のために、順番に説明します。

相談料:相場は30分5,000円。初回無料の事務所も多数

相談料とは、遺産相続について弁護士に相談した際に発生する費用のことを指します。

通常、相談にかかる費用の相場は30分で5500円(税込)程度とされているが、「初回相談は無料」とする事務所も多くあるため、あらかじめ確認しておくと良いでしょう。

弁護士の無料相談を活用することで、今悩んでいる相続の課題を法律の観点からどう解決すれば良いか提案をもらえるため、まずは無料相談を活用することをおすすめします。

おおよその場合、初回無料相談で見積もりを出してもらえるぞ。

実費:数万円

実費は、郵便切手代や遺産分割調停を申し立てるときの印紙代などの費用のことです。

遺産分割協議にかかる一般的な費用は、通常1万円から3万円程度であり、調停を申し立てる場合でも1万円から5万円程度が一般的。

ただし、遠方の裁判所で調停が行われる場合、交通費がかさんで、費用が10万円以上になる可能性もあります。

日当とは、事件処理のために弁護士が時間拘束を受けた場合に発生する料金のことです。

弁護士は通常、1か月に1回ほどの頻度で裁判所に出廷し、依頼者の代わりに裁判手続きを行っています。

例えば、東京都内に事務所がある弁護士に埼玉県の裁判所での裁判代理を依頼した場合、裁判所まで出廷して帰るまでに往復の時間などがかかってきますね。

さらに、例えば静岡県の裁判所で裁判を行っている場合、弁護士の出廷だけで1日中かかる場合もあります。

このような場合、弁護士の時間と労力をがかかるため、その報酬として支払う対価が、「日当」として請求されることを覚えておきましょう。

遺産分割協議や遺留分侵害請求などで、弁護士に依頼するときにかかってくる費用です。

結果にかかわらず返金はされないのが一般的です。金額は20~30万円程度が相場だが、遺産額や内容の複雑さに応じて金額が上がる場合もあります。

報酬金:「経済的利益」によって変動

報酬金は、遺産分割や遺留分侵害請求の結果に応じて弁護士に支払われる成功報酬です。

相続問題が解決した際に支払われ、 望んだ結果が得られた場合にのみではなく、獲得した遺産の規模に応じた適切な額を支払います。

また、定額で成功報酬の額を決めている法律事務所はほとんど存在せず、経済的利益に基づいて支払いが調整されます。

着手金が前払いであることに対して、報酬金は成功報酬になるため、後から費用が確定してくるものとなります。

遺産分割以外の相続にかかわる弁護士費用の相場

基本的には、弁護士という職種において相続分野で対応できない事柄はないが、事務所の運営方針として対応していることとしていないことを分けている事務所もあります。

遺言書の作成
遺言執行
相続放棄
相続開始後の手続き

遺言書作成の費用相場:10~30万円

遺言書作成の費用は、遺産額や内容によって変動します。

具体的には、遺言書の内容が法的に問題がないか確認するだけの案件と、1から遺言書の書き方などを指導する案件で労力が変わってきます。

遺言では、遺産の分配や各種手続きをその通りに行ってくれる人を選ぶことができます。

これを弁護士に任せておくことでもめごとや想定外のトラブルが起きても安心です。

遺言内容を実現するために必要な手続きをしてくれる「遺言執行」を弁護士に依頼すると、30万円以上はかかるのが費用の相場です。これについても内容や遺産総額によって変わってくることが多く、相続財産が多いほど費用も大きくなります。

相続放棄の手続きを弁護士に依頼すると、5~10万円程度の費用がかかります。

相続放棄は、相続発生時から3ヶ月以内に手続きをする必要があることから、財産調査、必要書類の取得、債権者への対応まで弁護士が素早く対応してくれるため安心です。

また、複数人まとめて依頼すると、減額してもらえる場合もあるので、確認しておきましょう。

相続の手続きには本当にさまざまなものがある。その中でもとくに、弁護士に依頼するべき内容は以下の3つです。

戸籍の収集:10万円~
財産目録の作成:10万円~
相続登記:5万円~

それぞれ費用の相場は10万円~15万円ではあるが、遺産金額や内容の複雑さによって変動します。

遺産分割トラブルの際、「相手側に弁護士費用を負担してもらえないか?」という疑問が出てくることでしょう。

結論

弁護士費用は自分で払う必要がある。

過去の判例でも相手側への請求は棄却されています。

弁護士費用がもったいないかと思う瞬間も出てくるかもしれません。

しかし、弁護士に依頼し、遺産を獲得できた方がトータルで見るとプラスになることが多いため、自分では解決することが難しいと感じたらまずは無料相談を活用すると良いだろう。

遺産をもらえないよりも弁護士にお金を払って利益を出す方が賢いよな

遺産分割協議や調停を依頼する弁護士を選ぶときには、何を基準にすればよいのでしょうか?費用だけではなく、見るべきポイントがいくつかあるのでご紹介します。

相続については、専門に扱っている事務所もあれば、経験がほとんどない事務所もあるなど、経験値に偏りが出やすい分野。

相続に力を入れている弁護士であれば、他の士業とのネットワークを持っており、必要に応じて紹介(無料)をしてくれます。

ホームページの内容や、Googleのクチコミなどを参考に、

相続案件に力を入れている事務所なのかどうかをチェックしてみてほしいと思います。

弁護士に依頼するとき、「先生の性格も気になる」依頼者が多いといいます。

相続問題は身内を相手にすることがほとんどであるため、精神的にも疲労がたまりやすい。なのでなるべく傾聴力があり、相談しやすい相手を選ぶのがよいでしょう。

事務所によっては「相続手続きパック」のように、相続に関わる手続きを全て行ってくれるサービスを提供しています。

依頼者にとっては、パック内容に含まれている手続きを単体で頼むよりもお得であるし、弁護士側としてもトラブルが起きない方向で依頼者の相続に向き合うことができます。

ただし、内容については、事務所によって行ってくれる範囲が異なるため、複数の事務所を見比べる必要があります。

セカンドオピニオンとは、特定の事務所からもらった見積やサービス内容を、他の事務所や士業に見せ、アドバイスをもらうことです。

実施するのは、1人の弁護士から話を聞いただけでは、善し悪しを判断しにくいためです。

基本的には、Webサイトに費用やサポート内容が記載されているため、一度確認し、整理しておくのも良いでしょう。

無料相談なら何軒相談しても相談料はかからないため、遠慮せずに利用しましょう。

まとめ:弁護士は正義感・困っている人を助けたいという想いを強く持っている

私も弁護士とよく一緒に仕事をするのだが、その情熱には心をうごかされることも多いです。

特に相続分野は、悩みの根も深く、依頼者の大きな負担となっている案件が多い。弁護士先生方もそのことを重々承知されており、地域に特化した事務所では、本当に親身に相談を乗ってくれると思います。

あなたが、依頼者のために全力を尽くしてくれる先生と巡り合えることを願っています。

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