【必見】土地の相続トラブルを4つ紹介!解決方法はこれ

特に実家や土地などの財産を相続する場合、相続手続きにおいてトラブルが発生する可能性が高まります。相続に関連するトラブルの原因は様々であり、それらを事前に理解し、適切な事前準備を行うことがスムーズな相続手続きを進める鍵となります。

実際に、「相続関係の相談件数」は過去10年で1.6倍に増加し、「遺産分割事件」も同期間で1.3倍に増加しています。これは相続に関連する問題や紛争が増加していることを示しています。したがって、相続に関するトラブルの発生は珍しくなく、その原因や対処方法を把握しておくことは重要です。

相続のトラブルの主な原因を理解し、それに対処する方法を知っておくことは、損失を防ぐだけでなく、円滑な相続手続きを進めるためにも不可欠です。

相続人の関係については以下の記事を参照!

目次

トラブル1|平等に遺産をわけようとしてしまうケース

原因:平等にするために共有持ち分または差額精算を考えてトラブルに

例えば実家が3000万円の価値で、現金を1000万円相続するケースでは、土地の割合が大きいため、「平等に分けようと考える」という視点で実家の取り扱いについて次の3つの選択肢が一般的です。

  1. 平等にこだわり、実家を3人で1000万円ずつの共有分割をして相続する
    → これにより、トラブルが先送りされる可能性があります。
  2. 長女が実家を相続し、長女の貯蓄から兄弟に差額を支払う
    → 長女が支払い可能な貯蓄がない場合、結果的に不平等になる可能性があります。
  3. 実家を売却して得たお金を3人で平等に分ける
    → これにより、トラブルを回避できる可能性が高まります。

これらの選択肢を検討する際には、家族の意向や状況に十分な注意を払い、公平かつ円滑な相続手続きを進めることが重要です。

リスク:共有分割はのちのち問題が発生する。

今回の相続においては、初めは平等感があるように見えますが、実際には共有持分となることでお子さんやお孫さんの世代に大きな負担を残す可能性があります。

相続では、共有持分にするとお子さんたちが集まり話し合いを行い、結論を導き出す必要が生じます。いとこ同士が協議を行い、遺産分割協議書を作成し署名・捺印まで進める場合、皆が納得するのはおそらく売却して得た資金を均等に分けることでしょう。子どもたちの世代に不必要な手続きや負担をかけないためにも、自宅を共有持分にすることは避けるべきです。

対策:考えるべきことは、将来トラブルにならないかどうか

三人兄弟が実家の相続を巡って誰が担当するか、また相続財産の平等な分割が難しい場合には、代替手段として貯蓄からの資金提供など、次世代に問題を引き継がずに適切な決定を行うべきです。土地や家屋の価値を財産評価額だけでなく、平等性の観点から考える必要もなく、相続人同士が納得できる解決策を模索しましょう。

実家の売却によって得られる資金を3分割する考えがある場合、それでも共有持分で相続を進めることが検討できます。ただし、このようなケースでは相続税の節税や売却に伴う税金の取り扱いも考慮する必要があります。そのため、相続税に強い税理士に相談することをお勧めします。

トラブル2|介護によって土地がもらえると勘違いしてしまう

親の介護が必要となり、最初は不本意で始めた介護も時間の経過とともに当たり前のように感じられ、特に同居している場合は介護に貢献していることから、将来的に実家が自分の相続財産となると考えることが一般的です。また、二世帯住宅を建てて同居している場合には、将来的には両親の住む部分も相続できると誤解されることもあります。ただし、これらの期待は法律で厳格に規定されたものではなく、ご本人の誤解からくる主張に過ぎないことを理解しておくべきです。

原因:介護の貢献分で自分がたくさん相続できると勘違い

親に尽くすことが相続時に大きく現れる感情です。相続においては、「寄与分」という考え方が存在し、「財産の維持や増加に寄与した人」が対象となります。

そのため、例えば長女が仕事を辞めて介護に専念した場合でも、高額な入院費を支払うことから財産の維持に寄与した具体的な理由が必要です。これらの理由を兄弟に理解してもらうことも重要です。具体的な寄与分の額は、相続人が話し合いを通じて合意することになります。

ポイント:介護の貢献(寄与分)は、法廷では相続割合に影響することは少ない

寄与分の主張が相続人間で合意が得られない場合、解決のためには家庭裁判所に申し立てを行うことが必要です。現実的には、寄与分が認められるケースは限られています。

寄与分の紛争が生じた場合、まず調停の手続きを経ても思い通りの結果が得られないことが多く、最終的には審判に移行して裁判官の判決を待つこととなります。この過程では、何度も裁判所に足を運び、それに加えて弁護士の費用がかかります。しかし、最終的には法定相続分に基づいて分割されることが一般的であり、家族の関係が悪化し費用が発生しても、最初の状態から何も変わらないことがよくあります。

対策:欲しい相続財産がある場合は生前に家族で決めておく

ご両親の介護や二世帯住宅の建設など、将来的な親の面倒を見ることが明確な見返りとして土地や家屋を相続したい場合、その意思をいずれ話し合うというよりも、早い段階で積極的にコミュニケーションを図り、可能であれば具体的な内容を書面に残しておくことが重要です。

相続財産の分割に関する話し合いでは、主張を一方的に行うと周りからの理解を得ることが難しいこともあります。思い立った際には適切なタイミングで家族会議を開き、特に親の介護を引き受ける兄弟に対しては、その貢献に対する適切な認識を持ち合わせるよう心掛けましょう。

兄弟が納得してくれないときには、遺言書に多めに相続できるように書いてもらうと法的な効力がつくぞ

トラブル3|実家を空き家のままにしてしまう

ご両親が亡くなり、実家が誰も住まない状態になった場合、自然とその家は空き家となります。しかし、「思い出の実家を手放したくない」といった主張から、空き家であっても実家を残すことを望むケースもあります。全員が同じ意見でないと、相続手続きや売却手続きが進まないため、事態は複雑化します。

原因:思い出が詰まっている家を売ることができない

実家は子供時代からの大切な思い出で満ちており、家屋を壊すことへの懸念から、売却に踏み切ることが難しい場合がよく見られます。売却が難しい場合、賃貸として提供する選択肢も考慮されることがありますが、これにも抵抗があることはまれではありません。ただし、空き家には思いがけないリスクが伴うため、慎重な判断が必要で、将来後悔しないよう慎重に考えることが重要です。

リスク:空き家は異臭や老朽化の原因に

空き家のリスクは、たった1ヶ月経過するだけで顕在化し始めます。この期間内に住まれずに放置すると、建物の老朽化が始まります。また、洗面台などの下の排水ストラップ(S字)の水が蒸発し、下水の匂いやねずみの侵入の原因となります。空き家は固定資産税の支払いが必要であり、その費用が負担となってきます。

対策:実家は売却することで、みんな幸せに

実家が空き家になる前に、ご両親が亡くなった場合の対処法を決めておきましょう。ご家族が居住する場合は理想的ですが、管理方法として維持管理、管理会社への委託、賃貸、または売却のいずれかを事前に決めておくと、空き家に伴う様々なリスクから解放されます。ご家族が居住しない場合は、有効な活用方法として賃貸などを検討するか、売却後に相続財産として分配することがおすすめです。

このようなケースでは、相続税の節税や売却に伴う収益の税務処理も検討する必要があります。

トラブル4|土地の名義変更を忘れていた

遺産分割協議書を作成し、実家の相続手続きを進めようと不動産に関する書類を入手すると、祖父のまま名義が残っている場合があります。相続登記(不動産の名義変更)は法的な義務ではなく、期限も設けられていないため、放置されることがあります。しかし、他者に所有権を主張するためには、相続登記が不可欠です。

原因:過去の相続で名義変更がされていなかった

もし祖父が名義変更をしていない場合、祖父からお父さま、お父さまからお母さま、そして最終的にご自身へと3回の名義変更が必要です。祖父が亡くなった際の遺産分割協議書が残っていれば幸いですが、その見込みは少ないでしょう。したがって、不動産に関連する新しい遺産分割協議書を作成し、登記に必要な書類を整える必要があります。その後、お父さまおよびお母さまの書類を揃え、名義変更手続きを行います。

リスク:遠い親戚に署名・捺印をもらいに行く必要がある

祖父のお子さんやお子さんが亡くなられている場合、お孫さんには不動産に関連する遺産分割協議書の署名・捺印をお願いしに行く必要があります。ある日、知らない人が押印をおじいちゃんの遺産分割協議書に依頼してきた場合、これは簡単にできない課題だと考えられます。特に参加者が2・3名であれば問題ありませんが、10名を超えると相当な手間となります。

実際の取り組みとして、遺産分割協議書は3回分の相続をまとめて1通にまとめることもできますし、相続ごとに個別に作成することもできます。具体的な作成方法は、押印する方の都合により異なりますが、便利な方法を選択して作成することができます。

まとめ

実際にご家族が亡くなると、葬儀から相続の手続き、相続財産の分割、相続税の納税など、多くの課題が山積みとなり、怒涛のように1年が過ぎていきます。日ごろから「人が亡くなる」ということを考えたり、口に出したりするのは避けたいことかもしれません。しかし、これらの事前準備が、家族が円満に相続を終える秘訣です。

亡くなられた方も、自分の財産が原因で家族仲が悪化することは望んでいないでしょう。お盆やお正月など、家族が集まる機会に、少しだけでもこれらの話題を取り上げておくことが重要です。

弁護士費用について詳しく解説したので読んでみてくれ

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