【不動産相続】よくあるトラブル事例を紹介

皆様、不動産相続について考えたことはありますでしょうか。もし両親が不動産を所有している場合、その相続に関して心配される方も多いことでしょう。

不動産の相続トラブルは他人ごとではなく、発生してしまった場合、解決までには予想以上に時間がかかります。こうした状況を避けるためには、事前の対策が欠かせません。

このページでは、不動産の相続でよく起こるトラブルの事例やその解決策についてご紹介いたします。

不動産を巡ってのトラブルはめちゃくちゃ多いぞ

目次

不動産相続のトラブル事例①|同居の相続人と他の相続人で意見がまとまらない

相続が生じた場合、財産調査を行った上で、相続財産の中で親が住んでいた実家の不動産が最も高い価値を有する場合、その不動産を誰が相続するかという問題が発生することがあります。

たとえば、相続人の中で生前にご両親と長年同居していた方がいると仮定します。その方の立場から見ると、長年にわたり親を支えてきたことが財産の維持に寄与したと考え、自宅の相続を望む可能性が高いと考えられます。このような状況では、相続問題がトラブルの原因となることがあります。

被相続人の財産の維持・増加に特別な貢献をした親族(六親等内の血族・配偶者・三親等内の姻族)であれば、民法において特別寄与料を請求することが認められています。

この特別寄与料は、法定相続人ではない親族にも適用されるため、相続人とは異なる親族が被相続人の介護などで財産の維持に特別な寄与をした場合でも、不動産の相続を主張することが可能です。

実際に被相続人であるご両親も、介護をしてくれた人には他の方よりも大きな感謝の気持ちを抱いているでしょう。このような感謝の気持ちを具現化させるためには、生前に遺言書を作成することがおすすめされます。

不動産相続のトラブル事例②|実家を相続人で平等に分けたい

相続人同士がお互いに損得がないように、平等に財産を分割しようとする考え方もあるでしょう。しかし、不動産相続の場合には、逆にこれが揉め事につながることがあります。不動産を平等に分割する方法は大きく3つありますので、以下でそれぞれ説明いたします。

共有分割とは

ひとつの土地を複数の相続人が共有名義として相続する方法です。

例えば、4人兄弟が共有する場合、それぞれの持分が均等な4分の1ずつになります。しかし、この平等な相続にもかかわらず、共有名義は土地の有効活用において様々なデメリットが存在します。

具体的なデメリットとしては、売却や建築には所有者全員の同意が必要であり、相続人の世代が増えるにつれて土地の有効活用がますます難しくなるといった点が挙げられます。

代償分割とは

代償分割は、現物財産の一部または全体を1人の相続人が相続し、他の相続人に代償金を支払う方法です。

例えば、被相続人の法定相続人が配偶者と娘A、娘Bの計3人いる場合、配偶者が自宅を相続し、娘Aと娘Bに代償金を支払うことで遺産分割を行います。これにより、異なる相続人の希望に柔軟に応えることが可能です。

換価分割とは

換価分割は、財産の一部または全体を売却し、現金化してから分割する方法です。

換価分割を行う際には、亡くなった被相続人名義を変更してから財産を売却する必要があります。その後、売却によって得た現金を相続人で均等に分割します。

デメリットの大きさを考えると代償分割、換価分割での検討をおすすめするぞ

不動産相続のトラブル事例③|不動産が、前の世代の名義のまま放置されていた

遺産分割協議書を作成し、実家の相続に向けて不動産関連の書類を取得した後、実際には不動産の名義人が何世代も前のままであるという事態が発覚するケースが実際にはよく見られます。

不動産の名義変更は法的な義務ではなく、期限も設けられていないため、放置されがちな状況も少なくありません。

このような状況は非常に手間と時間がかかる手続きを伴います。被相続人が亡くなった際の遺産分割協議書が見つからない場合、再度不動産に関する遺産分割協議書を作成し、登記関係書類を用意する必要があります。その後、全ての相続人に対して遺産分割協議書に署名・捺印を依頼する必要があります。

したがって、相続に備えて生前から土地の登記や状況を適切に把握することが重要です。最初に法務局を訪れ、不動産に関する情報(例:名義など)を確認し、必要に応じて対処するのがおすすめです。

2024年4月1日から、不動産の名義変更が義務化されるから、注意が必要だぞ

不動産相続のトラブル事例④|相続した不動産に住む予定がなく、空き家で放置している

ご両親が亡くなり、実家に誰も住まなくなった場合、当然ながらその家は空き家となります。相続人全員が一致しない限り、相続手続きや売却手続きは進まないことがあります。

しかし、相続人の中には思い出深い実家を残したいと考える方もいれば、空き家として残すことで老朽化や周囲への悪影響、支払いなどの問題が生じることもあります。

こうしたトラブルを未然に防ぐためには、ご両親が亡くなった場合の対応策を事前に話し合い、決めておくことが重要です。空き家にしない選択肢として、以下のような方法が考えられます。

  1. 管理会社に管理を委託する
  2. 賃貸に出す
  3. 売却する

これらの選択肢を検討し、事前に決めておくことで、先述した空き家のリスクを回避できます。

不動産の相続には多くの注意点があります。遺言書を作成したり、将来の相続人となる方や配偶者を含め、事前に話し合いを行うなどの対策を講じることで、相続手続きをスムーズに進める可能性が高まります。まずは相続財産を把握し、早めに相続人との話し合いを検討しましょう。

まとめ

不動産の相続については、相続財産としての金額が大きいことから、どう処理していいか迷うケースも多くあります。

思い入れのある実家だからこそ、亡くなった両親が悲しむことのないように相続を進めていけると良いですね。

弁護士費用について詳しく解説したので読んでみてくれ

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